5月開催のスケジュールだったMFJ全日本トライアル選手権第3戦九州大会。ご存じの通り九州地方が震災に見舞われました。しかし本大会はスタッフの方々の力で、中止ではなく延期とされ、7月3日、開催されました。
ここ、熊本県山鹿市菊鹿町の矢谷渓谷特設会場は、美しい渓谷があるキャンプ場です。渓谷と言えば、大岩小岩、トライアルのセクションにも最適な地形で、走る側もやる気がそそられ、撮る側も上手く撮れば大自然の中の迫力ある写真が撮れます。
梅雨のこの時期、朝のスタート直前まで土砂降り。その後は持ち直しましたが、国際A級スーパークラスのSS(スペシャルセクション)2つめ、最後の最後で、しかもトライ残り数人で再び土砂降りとなり、そのまま表彰式も降られました。
国際A級スーパークラス
8セクション×3ラップ+SS×2で競われました。
3ラップ終了時点で野崎史高選手がトップ、但しわずか1点差で小川友幸選手が付けていました。前戦中国大会優勝の黒山選手は6点差で3番手。
今回はSSでの走りで順位に大きく影を落としました。
SS1で「少し焦りの気持ちがあった」野崎選手が、3mの跳び付き大岩の直後で失敗してしまいます。その後小川友幸選手が、最後の登りを意地で押し上げて減点3。1点差で小川(友)選手のリードに。
SS2は、入口は3mの跳び付きの大岩、そして出口は4mの壁を登る大迫力クライマックス。しかし、その迫力とは裏腹に、スーパークラスのトップ達はクリーンで登り切ります。これで勝負あり。小川(友)選手自身「ラッキーもあった」3勝目を挙げました。2位は野崎選手、3位黒山選手。
小川毅士選手も、メンタル面での安定性が課題と話していました。ただ一人SS1を減点2で走るなど、光るところもあるのですが、今回も定位置4位。同じくメンタル面の課題と向き合っている柴田暁選手は5位。
野本佳章選手は、SS2でセクション途中にある杭(セクション構造物)に後輪が当たって、杭が動いたため減点5となってしまいます。このミスで、最後の最後で田中善弘選手が逆転で6位に、野本選手は7位となりました。
国際A級
「たかすぅアンドけんちゃん」こと、小野貴史選手が優勝です。けんちゃんは小野選手のアシスタントを務める竹屋健二元選手。ここ熊本は竹屋さんの地元でもあり、二人に黄色い声援も飛んでいましたね。スーパークラスの砂田真彦選手も含め、彼らはAUTO TECHNIC JAPANと言う会社の「トライアル部」です。会社に部室があって、仕事の後に整備が出来たり、レース参戦も出来ているそうです。
惜しくも1点差で2位は村田慎示選手、さらに2点差で永久保恭平選手でした。
国際B級
小林直樹選手が連勝です。今回のような滑る石と土の斜面、複合的な要素が混じれば混じるほど、ベテランの経験と読みが活きてきます。充分なトレーニングの成果か、狙ったラインを外さない正確なマシンコントロールが光りました。2位は氏川政哉選手。僕を見つけると「小林直樹選手は何点でした?どこを通りました?」と情報収集も熱心でしたが、今大会では総合力で小林選手が一枚上って感じでした。
3位は全日本初参戦の大分県の塩月匠選手。恵まれた体格でダイナミックなライディングを見せます。
4位山中悟史選手、5位武田呼人選手と若手が入り、6位は鹿児島のベテラン後藤研一選手。
10位の酒井柚希選手(16歳)、12位の濱邉怜選手(15歳)と長崎の若手もポイントゲット。九州は今若手が良い感じです。
レディース
西村亜弥選手が負け知らずの4連勝。さすがに実力差を発揮しましたが、本人的にはクリーンしたセクションを次のラップでは減点5となったりとやや不安定な走りだったようです。
今回のような滑るところでは、失敗が減点5に直結しやすいと言えます。ここで減点5になるのを極力抑えられたのが2位の小玉絵里加選手。小玉選手よりも一つ減点3が多かった小谷芙佐子選手が3位。4位は寺田智恵子選手で、減点5が最も多かった稲垣和恵選手が5位でした。
オープントロフィー・オーバー50
前回と同じ喜岡修選手と三浦直喜選手の一騎打ちのはずが、喜岡選手が参戦出来ず、三浦選手の一人だけの出場でした。
リザルトです2016JTR3KYUSHU
本大会のレポートはストレートオン8月号で掲載予定です。お楽しみに。
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