まさか!?が連発!全日本トライアル選手権最終戦

優勝決定の瞬間!

優勝決定の瞬間!

2016年10月30日 スポーツランドSUGO
2016年のMFJ全日本トライアル選手権も最終戦。会場はこのところずっと同じスポーツランドSUGOです。広場を囲むように設けられたセクションは、観戦がかなり楽なレイアウトです。
10個作られたセクションは、第5、第6の二つが国際B級とレディースクラス専用で、国際A級スーパークラスと国際A級は8セクション×3ラップ、スーパークラスのみSS(スペシャルセクション)が2つプラスされます。国際A級スーパークラスは、「勝ってチャンピオンを決めたい」小川友幸選手と、「ニューマシンで連勝を目指す」黒山選手、「毎年SUGOではかなり良い走りが出来る」野崎選手の三つ巴の優勝争いとなりました。
今回はかなりの接戦との展開でしたが、3ラップを終えて、小川選手が13点、黒山選手が17点、野崎選手が18点(タイムオーバー減点3点含む)と小川選手がリード、今までの優勝争いではSSでの逆転はほとんどありません。小川選手の優勝はほぼ決まり、という雰囲気でした。
SS1はビッグタイヤ。地面が湿っていて、その湿気は付いたタイヤは異常なほど滑ります。それを最大限のボディアクションで走らせますが、下位の選手はかなり苦労しています。世界選手権日本GPで肩を痛めていた武井誠也選手は、前戦中部大会から復帰を果たしましたが、このSS1でタイヤから飛び降りた瞬間、完全に肩が抜けてしまいました。傷みでうずくまる武井選手。大会後お父さんに聞いたところ、手術をして来年の完全復帰を目指す、とのことです。
トップ3はさすがに最後まで走りきりますが、最後の2m強のビッグタイヤで野崎選手が失敗、黒山選手が減点2。最後にトライの小川選手がなんと減点5。これで小川18点、黒山19点、野崎23点と優勝争いの行方が混沌としてきました。しかしそれでも、最後に締めるのが小川選手、というのがこれまでの試合で多く見られたパターンです。
最後のSS2は、藤原慎也選手が減点3、吉良祐哉選手、斎藤晶夫選手がクリーン、野本佳章選手、小川毅士選手が減点2、田中善弘選手が減点1ですから、トップ3は充分クリーンが狙えるものでした。しかし。
まず野崎選手が危なげなくクリーン。黒山選手は、最初の崖登りであわや失敗、という後輪のスリップをマンパワーで押さえ込み、渾身のホッピングで耐えてのクリーン。
小川選手は、クリーンだと優勝、減点1ではクリーン差で2位になります。最初の登り、上がりきる瞬間に後輪がスリップ。どうやってもリカバリー出来ず、まさかの減点5。これで、優勝は黒山選手、2位は野崎選手、シリーズチャンピオンは決めたものの小川選手は3位となりました。
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実は、前日夜から小川選手は突然体に不調ヶ所が発生。試合の朝には走られるかどうかも判らない状況。しかし、走らない=チャンピオンになれないということもあり、それだけは避けなければという、かなり深刻なレースだったんです。ともあれ、勝って決めたかった願いは叶いませんでしたが、6度目、4連覇をガッチり手中に収めました。

それにしても今年は16名のスーパークラスライダーが走り壮観でしたね。かなり切磋琢磨が感じられ、スーパークラス全体のレベルアップ、底上げが出来ていたと実感しました。

SS2で大ジャンプ!藤原慎也選手。着地の地面が無かったのはナイショ。

SS2で大ジャンプ!藤原慎也選手。着地の地面が無かったのはナイショ。

難関の第4セクション。吉良祐哉選手。

難関の第4セクション。吉良祐哉選手。

同じく第4セクション。氏川湧雅選手。

同じく第4セクション。氏川湧雅選手。

第3セクション。ここもやばい高さでしたね。小川毅士選手。

第3セクション。ここもやばい高さでしたね。小川毅士選手。

SS2。

SS2。

シルエットクイズ。これはだれでしょう???

シルエットクイズ。これはだれでしょう???


競技中は体の不調は、外見からは判らなかったけれど、「らしくないミス」がありました。小川友幸選手。

競技中は体の不調は、外見からは判らなかったけれど、「らしくないミス」が…。小川友幸選手。

国際A級クラスは、前戦でランキングトップに立った久岡孝二選手、小野貴史選手、村田慎示選手にチャンピオンの可能性がありました。国際B級時代に、最終戦でチャンピオンを逃した久岡選手ですが、今回はきっちり初優勝を決めました。もちろんチャンピオンも決定です。3ラップ目を最少減点で回るあたりは、精神的にもかなりタフになったと感じました。小野選手は3位。2位には若手磯谷玲選手が入りました。試合巧者のベテランが多い中で、若いライダーが成績を出し、ポイント圏外にも一皮剥ければトップ10に来ても不思議じゃないライダーが何人もいます。来年が楽しみですね。
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国際B級は、セクションのパターンが判りやすかったため、クリーンの取り合いとなりました。その中で、池田蓮選手がわずか減点1で今期2勝目です。10セクション×2ラップの、1ラップの第2セクションで足を着いた後、辛抱強く残り全てをクリーンしました。素晴らしい。
2位には氏川政哉選手。前戦でチャンピオンを決めていますが、もちろん優勝を狙っています。1ラップ目第4で減点2を取り、その後は全てクリーンでしたが、今日の池田選手には届きませんでした。
3位武田呼人選手は減点3。優勝であってもおかしくない走りでしたが、順位は残念。
来年は国際A級に闘いの場を移します。若い力に期待します。
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レディースクラスは、全7戦中5戦の有効ポイント制。すでにチャンピオンは西村亜弥選手が獲得済みですが、全勝を賭けての最終戦です。前戦で左手親指の骨にヒビが入っていた西村選手、今回は下見中に左手を押さえながら、痛みを堪えてのトライです。その結果は、なんと!オールクリーン!7戦全勝を達成です。おめでとうございます。
2位争いは、今年中国トライアル選手権で国内A級チャンピオンを決めた小谷芙佐子選手と小玉絵里加選手の闘い。前回に続き小谷選手が上回りました。しかし、ランキングは小玉選手が2位、小谷選手が3位です。
今大会4位佐々木淳子選手、5位寺田智恵子選手、6位稲垣和恵選手とフルメンバーが揃いました。今年初開催のこのクラス、来年はさらにいろんな変更があるかも知れません。世界の女性トライアラーも、10年かけて広がり、レベルアップを果たしてきました。全日本も女性選手の参加台数が増えるとともに、全体レベルが上がることを期待します。
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